Money/『Dark Side Of The Moon』(1973)
26歳で結婚の準備のためにあれこれと生活用品を買うまで、生涯で一番高い買物は自動車の運転免許だった。アルバイトをして貯めた30万円くらいを払って自動車学校に通い始めたのが大学一年生の終わりごろかな?19歳。その一年後に買って、結局28歳で高知に行く前に買い換えるまで、走行距離16万キロまで乗った中古車は(”街”と言う名の「彼女」のことは、ほとんど、愛していた。文字通り愛車だった)自動車教習所より安い20万円くらいだった。
本当は免許を取ってすぐ車も欲しかったし(女の子を乗せて、花火を見に行ったり、電車を2本乗り継いで急坂を上らないといけなかった通学に使ったり、ちょっと遠くまで出かけたり、山間のワインディング・ロードを走ったりしたかったんだね)、当時のアルバイトのペースだと免許を取る頃には買えるかな?と思っていたけど、実際に車を買うのが一年後になったのは、自動車教習所に費用を払い込む日、午前中に体育の授業(大学にも最初の一年は体育の授業があった)中、更衣室で用意していたお金を盗まれたから。
まあ、鍵のかかるロッカーに入れていなかったこちらが悪いんだろうけど、いわゆる外から来た「更衣室荒らし」がお札だけ盗んでいった。
貯金は少ししかなかったし、学費以外は親から金を貰うまいと決めていたので、教習所をキャンセルするしかないなと思って、昼からのラグビーの練習のあと、みんなで学食を食べている時に「カネ盗まれちゃったよ」と話したら、「カンパしようぜ」ということになって、みんながその時財布に持っていた1万円とか2万円ずつ貸してくれて、教習所のお金は払うことが出来た。
「カンパっていうのは、ロシア語でカンパニオ、同じ志を持つ大衆に運動を促すこと、そのための寄付を募ることだから、言葉遣いが間違ってるぜ」と経済学部生っぽい悪態をついたけど、「なるべく早く返すから、すまん、貸しといて」と、ありがたく借りた。
さて、経済学についてのお話。
経済学というのはたえず変化してゆく素材を取り扱うので、その定義、分類もたえず変化していくのだけど、僕が大学に入った1980年代の半ばは、まずマル経(マルクス経済学)、近経(近代経済学)という分類がされていた。
これは「プログレ」とか「メタル」とかと同じように日本固有の呼称だとか。
カール・マルクス(1818-1883。ドイツ人)というといかにも左翼、共産主義の革命家・政治活動家のようなイメージがあるけど、『資本論』という著作のタイトルを普通に読めば分かるように、19世紀(1800年代)のイギリスの経済活動、特に生産活動の元手である「資本」を「自己増殖する価値の運動体」として、「剰余価値論」という説をもって「資本」の本質を分析し、「資本主義」の歴史的性格をその内的構成から解明しようとした学者、編集者、ジャーナリスト。「共産主義」(もちろん、歴史的に共産主義的な生産形態は世界各地に色んな時代にあって、むしろクラシックな経済活動の様式)を、当時(19世紀)世界でもっとも効率的に大量の物資を生産できたイギリスの生産様式の問題点を解決する近未来的仮説として提唱した。
というように、僕は理解している。間違ってるかもしれないけど。
マルクス経済学に対して、大雑把に言えば、それ以外の経済学の総称を日本では「近経(近代経済学)」と言っていた。多分、今も言っている。
ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946。イギリス生まれ)というマルクスと並んで有名な経済学者の、国家政策という政治的経済活動の考え方の基礎になる有名な著書は、『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1935年 - 1936年)という。
もう一つの経済学の分類が、マクロ経済学(「マクロ」と言いました。そのまんま)とミクロ経済学(「ミクロ」と言いました。そのまんま)という分類。
マクロ経済学(マクロけいざいがく、英: macroeconomics)は、個別の経済活動を集計した一国経済全体を扱う経済学である。マクロ経済変数の決定と変動に注目し、適切な経済指標とは何か、望ましい経済政策とは何かという考察を行なう。その主要な対象としては国民所得・失業率・インフレーション・投資・貿易収支などの集計量がある。
個別の経済活動を集計した一国経済全体を扱う経済学であるマクロ経済学に対して、経済を構成する個々の主体、会社とか、工場とか、商店とか、家計とか、個人とかを問題にするのがミクロ経済学といわれる。
1980年代半ば、学生に人気があったのは、「近経」の「マクロ経済学」。
マル経は、女にもてない暗い奴がヘルメット被って爆弾作ったり殴り合いするようなイメージや、「貧乏」なイメージがあったし、「ミクロ経済学」はなんだかせこくて、男たるもの、やっぱり、国家を論じるべきだ、みたいな雰囲気があったのだと思う。
僕は、大学時代にちゃんと読んだ経済学の本は、学費を出してくれた親には申し訳ないけど、色んな理論の解説書である「教科書」を除くと、3冊しかない。
おとん(父親、パパ)、おかん(母親、ママ)、すまん。
そのうち2冊が、大ベストセラーの『資本論』(マルクス)と、『雇用・利子および貨幣の一般理論』(ケインズ)。
ビートルズとストーンズみたいなものかな?違うかな?
もう一冊がフリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク(1899-1992。オーストリア人)。
僕が学生の頃は、まだ生きていて、現役だった。ノーベル経済学賞受賞だけど、ケインズとの大論争を繰り広げ、当時、すっかりオールド・ウェーブだった経済学者。
Wikipediaには、こんな風に紹介されている。
『さらにハイエクは特にフランスに見られるような、「理性」に至上の地位を与えるような合理主義には常に反対していた。
人間は現存の秩序をすべて破壊し、そこにまったく新しい秩序を建設できるほど賢明ではないとし、既存の秩序、つまり「自然発生的秩序」の重要性を説いた。彼の主張は、あくまでイギリス・アメリカ的経験論に基づくものである。コモン・ローなどがその代表例としてあげられる。
彼は理性の傲慢さのもたらす危険性を常に問題視していた。』
これから、雇用とは?とか、商品とは?とか、サービスとは?とか、貨幣とは?とか、利子とは?とか、為替とは?とか、財政政策とは?とか、搾取とは?とか、
あるいは花火とは?とか、中古車とは?とか、そんなことを、だらだらと、延々と、ロックバーへのロックのリクエストに書いていこうと思うのだけど、
『で、お前の主義って、結局、ナンなんだよ!』ということを言われると思うので、最初に言っておきます。
一番共感したのは、ハイエクです。
それから、物理学が、原子力爆弾を作るためのものでない、というのと同じ意味で、
化学が、ガス室に閉じ込めた特定の民族を効率的に殺すためのものでない、というのと同じ意味で、
文学が、例えばカール・マルクスじゃなくて「モール・マルクス」の人生を辿るものでもある、というのと同じ意味で、
経済学が、テロや、サボタージュや、カンパやのための武器ではない、と思っているロマンチストです。
リクエストは、Pink Floyd:ピンク・フロイドの『狂気』:『The Dark Side Of The Moon』です。エンジニアは、アラン・パーソンズです。
ミクシング・スーパーバイザーは(ほとんど何もやっていない、と本人は言っていますが)、ビートルズの『ホワイト・アルバム』を皮切りに、ピストルズの『勝手にしやがれ』や、同級生のエルトン・ジョンのプロデュースもやっているクリス・トーマス。
3000万枚売れたロック最大のヒットアルバム。
僕はピンク・フロイドは特に好きなバンドというわけでもないし、ピンク・フロイドなら他のアルバムのほうが愛着があるけど、まあ、聴いておいて損はないと思う。害もないと思う。
聞き方次第かも知れないけど、得をしたり、利益があると思う。
引用は、大部分がWikipediaです。
そのWikipediaの引用元は、各々のページの最下段に書いてあります。
2003年に出たリミックスは、ピンク・フロイドが生演奏している感じや、デヴィット・ギルモア(ブルース・ギターの名手でもあります)のギターの弦をこする音なんかもリアルです。かなりジャズやブルースの要素が大きいのだなと感じました。
「月の裏側」:「狂気」というのは、村上春樹の『1Q84』のモチーフの一つではないか?という意見については、聴いた人、読んだ人の楽しみということで・・・。
経済学シリーズには、そのうち数学が出てきますが、数字が苦手な人は、ご容赦です。
upset the apple-cartへのリクエスト(377)
コモン・ストックへのリクエスト(391)
手前勝手なブログ内リンクです: O Caroline/『Matching Mole』(1972)
: I Don't Wanna Go On With You Like That/Reg's Strike Back』(1988)

この記事へのコメント
中央政府打倒のクーデター:ミュンヘン一揆をやって、失敗して投獄された後裁判で「私は有罪である!黙って見ている政府こそ我々国民に対する反逆罪ではないか!私は国民が生き延びるための権利を取り戻そうとしているだけだ!」と「法廷」を「宣伝」の場に変えて、国民投票で90%(!びっくりですね)の得票を獲得した、ちょび髭のおっさんのことは、どのように評価されているんでしょうか?
重すぎる質問でごめんなさい。
でも、「女性スタッフ、女性の同志募集中!」とかってネット右翼(ネトウヨって言うんですよー)が氾濫している今の日本を思うと、避けて通れないとも思うんですよ。
ごめんね、出来たら、お話聞かせてください。「He is Me総統!」なんて言いませんから。
コメントありがとうございます。(同一人物かどうかわかりませんが)まとめてコメントします。
TVで一回か二回しか見たことありませんが、マツコ・デラックスさんは面白いですねー。80年代ベストはその時の気分もあります。ルースターズ落としちゃったのは後悔です。シーナ&ロケッツは「レモンティー」(ヤードバーズ/エアロスミスの「トレイン・ケプト・ア・ローリング」のパクり)が好きなのでYMOとセットで「急いで口で吸え」/スネークマンショーにすればよかったかな?(中学生でしたが、「はい、菊池です」とか「これなんですか」とか、クラウス・ノミとか本当に凄いLPですね。クラウス・ノミのとこに画像貼っておきます。)
重すぎるご質問については、経済政策のところで触れますが、統計だって取り上げていこうと思っていますのでだいぶ先になります。ご容赦です。
ネトウヨ(言葉知ってますよー)は本当に困っている人やパソコン持ってないホームレスの人が賛同することはないし、女性スタッフが何人もいるっていうのは女性心理からしてありえないでしょうし、恋人が出来たり、子供が出来たりするとやめるんでしょうね。でも、現代の雇用問題・経済問題には違いないので、生意気で、ピンと外れかもしれませんが、経済学シリーズで触れます。話したいなと思うような人には「けして届かない声」なので、ちと空しさ・虚しさもあるんですが、ロックという音楽もそういうものかな?と思いますので、だいぶ先ですが書いてみますね。うざいですよー(笑)
お忙しいとは思いますが、経済学シリーズ楽しみにしております。
リクエストよろしくです。
池田信夫さんは(ブログを)読んでみますね。アルファブロガーって言うんですね。
ハイエクにたどり着くのはいつのことやらって感じですが、僕にとってはいつも隣にって思っています。
どうもありがとうございます。
こうは書けません。だって、
Fに、センターホールド、Jガイルズ・バンド。読んでくれてたら、ありがとう。
君のおかんやおくさんは、Hくん、男の子だね~ってよく言ってくれたんだ。
ネトウヨ亡国論が叫ばれる昨今。元々テーブルの右側に保守が、左側に革新が座ったのでしたね。日本語はあっというまに言葉の意味が変わりますね。また経済学のお話もお願いします!ハイエクって全く知らないのですが(あとの二人は先入観で誤解してると思うけど、少し分かります)、He is Meさん、ハイエクに共感したんだ、ハイエクのような考え方されるんだってことは、よく分かる気がします。よく考えると変ですね!
twにスティーヴ・ジョブズの名言が飛び込んできました。
「・・・とは何者で、何を背負って立っているのかを語らなければならない」と言っていたんだ。どうやったらそれができるかについて、ずっと考えていた。
そして我々が考えついた最良の方法は、我々のヒーローは誰かを語ることだと思ったんだ。
その人がどんな人をヒーローとあがめているかで、わかることはたくさんあるよね。
だから、我々は「これが我々のヒーローだ」と言って、その人たちを掲げたんだ。
戒めとして読んだので、ヒーロー・ヒロイン達のリクエストをこれからも続けます。
コメントありがとう。
いつか、ハイエク書いてね!
来年は「荒れる巳年」なのでちょっとしっかり書きたいと思っています。
コメントありがとうございます。
私は言わない。
男は胸にロマンを、女は胸にロマンスを!
何とかイストさんたちから、槍が飛んできそうね♪
時々、槍でも鉄砲でも持ってこい!ってきもちになりますね。
コメントありがとうございます。
ヒプノシス+何とかイストでない曲をリクエストしました。
コメントありがとうございます。