Summertime/『Cheap Thrills』(1968)
さて、女性ミュージシャンシリーズ(勝手にシリーズで行こうと思っているんだけど)は、いきなり?って感じだけど、ジャニス・ジョプリン。初めてちゃんと聴いたのは、大学生になってから。
1967年の6月18日にモントレー・ポップ・フェスティバルでThe Whoは"My Generation"をやったそうだけど(もちろん、当時1才になったところなので後で聞いた話だけど)、6月17日には、ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー featuring ジャニス・ジョプリンが、20万人の度肝を抜いたとか。
確かに、20年遅れて、廉価盤の輸入レコードで聴いても、度肝を抜かれた。
『Cheap Thrills』を初めてちゃんと聴いたときには、もう、耳年増で(本や雑誌だから目年増か?)、
玉突きをしながら、ジャニスが自分の半生を語るというシチュエーションの短編小説(山川健一さんかな?)の中では、ジャニス・ジョプリンは、学校では孤立していて、友達もほとんどいなくて、でも、男なしでいられないようなタイプで、いろんな男と、数々、時には一晩だけ、付き合っては別れ、別れては付き合って、という女性だったとか、
同じ小説の中で、テレビ番組でのインタビューをフィクションにして台詞にしたのだろうけど、ジャニスは「今までクラス、学校、町、そして国中の笑いものだった」と語っていたりだとか、
ジャニスの姉妹が著わした手記『Love, Janis』(読んでいないのだけど、)の中では、「彼女は知的でシャイ、繊細な家族思いの人物であった」と書かれているのだとか、
出演したテレビ番組の中で、卒業した高校の同窓会に出席したら、既に大スターだったのだけど、やっぱり疎外感で孤独な表情をしていたのだとか、
そんな知識はあったのだけど、"Summertime"は、どろどろした、男女の情念みたいなことを歌ってる曲だと思っていた。
『Cheap Thrills』(1968)は 「無人島の一枚」に選ぶ人も多いし、今更改めて言う必要もないのだけど、ガーシュウィンが作曲した"Summertime"の熱唱は、本当に素晴らしい。
多分、誰もが、胸を締め付けられるような気持ちになる。
間奏の二本のギターは、気分が乗らないとちょっとうるさいけど、つぼにはまると、これもすごくいい。
この歴史的名盤のもうひとつの価値は、有名なジャケット。一曲一曲を漫画にした美しくて、楽しいジャケット。
でも、よく眺めた気になっていたのだけど、"Summertime"が大泣きしている赤ん坊を抱えて、途方にくれる(愛嬌があってなかなかかわいらしい)黒人女性の漫画(ジャケットの右上の方)だっていうのは、初めて聴いてから何年も経って気がついた。
あ、
Hush, baby, baby, baby, baby now,
No, no, no, no, no, no, no,
Don't you cry, don't you cry.
って元々そういうシチュエーションの歌だったの?とびっくりした。
僕ら男にはよく分からないんだけど、母性の歌?
僕は、もうちょっと、どろどろした、男女の情念みたいなことを歌ってる曲だと思っていた。
マザー・テレサが(あ、女性ロックミュージシャンじゃないです。ノーベル平和賞をもらったカトリックの修道女です)、母性は神様が女性にくれた贈り物です、と言ったとか。
ノーベル賞受賞のインタビューで「世界平和の為にわたしたちはどうしたらいいですか?」という問いに「家に帰って、家族を大切にしてあげて下さい」と応えたとか。
ロックバーで彼女と隣り合わせになったら(まあ、ならないんだけど)、よく「自己犠牲の愛」なんて言われる彼女に「あなたのやっていることは自己犠牲なんですか?」と聴いてみたいなあ、という気は、ちょっとする。
"Sacrifice"って英単語でいいのかな?
きっと彼女は「自己犠牲?自己を犠牲になんかしていない」というんだろう。
え?彼女って、ジャニス?テレサ?
リクエストのリクエストなんで、女性ミュージシャンシリーズ行ってみます。
さて、続くかな?
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この記事へのコメント
この世で最大の不幸は戦争や貧困などではない。寧ろそれによって見放され、“自分は誰からも必要とされていない”と感じる事。
「人間嫌いの男好き」「女嫌いの色好み」っていうのは、生物学上は全員に父親と母親がいる人の性質を表す言葉でなくて、「ある時期の男女の特性」や、「ある日の気分」を表す言葉かなあ、と思います。
自分のことは棚に上げて・・・(笑)
自分のことは棚に上げて、の権化みたいなこんなブログにコメントありがと~