She Loves You/『The Beates1963-1966』(1973)

中学三年生の卒業式の前に、下級生や教師にはったりを言って、無理やり開いた「卒業生を送る音楽会」のこと。下級生は、コーラスやブラスバンドをやってくれて、なぜかよく分からないけど、卒業生がバンド演奏や弾き語りをした。そういうもんを吐き出してから義務教育を終えたいっていうのが、15歳だよね。
40歳を超えた今も付き合ってるMとFと三人でやったのが、ビートルズの"She Loves You"。
選曲理由は、もちろん、演奏が簡単だったからだけど、"She Loves You"は、タイトルで勝手に想像して、「俺の好きなあの子は、お前のことが好きだって。俺はあの子が好きだから、あの子のために身を引くよ」という歌だと思っていた。
80年代だから、そういうセンチメンタリズムが流行っていたし、同じようなタイトルの日本の歌は、大体そんな内容だったからね(ニューミュージックとか、演歌とか、ね)。
「エレキ・ギターは禁止!」だったので、フォーク・ギター(当時はアコースティック・ギターなんてかっこいい言い方はしなかった)に、
理科の夏休みの「自由研究」で基盤にコンデンサーをハンダでぽちぽちくっつけて作った、煙草(その頃は喫っていませんよ)ほどの大きさのディストーションを、
ピックアップ・マイクと直結して、
ちっちゃなアンプにつなげて、やった。
ディストーションというのは、音が「ぎゃわーん」と歪むエフェクターだけど、僕の作ったやつは、歪みの調節が出来なくて、音程もよく分からないほど、歪むやつだった(付けるコンデンサを間違えたのかな?)。
Mのモノフォニックの(単音しか出ない)シンセサイザーも、シンセサイザー自体が珍しかった頃のことなので(YMO世代だよ!)、どの楽器とも似てない音にしようとしたら、この世のものと思えないノイジーな音色になった。
はたして、僕らは、パンクバージョンの、プログレッシブな "She Loves You" で、「幸せになりなよ!」とかっこつけたのだった。
でも、後から(白状します。ごく最近です。)、歌詞をちゃんと読むと、"She Loves You"は、全然そんな歌ではない。
「彼女は君のことが好きだよ。君の恋は上手くいくよ」という馬鹿みたいな応援歌なんだ。
もちろん、女性なら、She を He に変えてもいいし、なんなら They だっていい。
恋じゃなくて、
仕事や、食い扶持や、生活のちょっとしたことでも、
勉強でも、才能でも、
努力でも、お金でも、勝手に入れて、応援歌として聞いたって誰も文句は言わない。
あるいは、ロックバーの未だ見ぬ(または、かつて来た)お客さんたちでも。
いじけた恋の歌でなくて、伝えたい思いや、やりたい気持ちがちゃんとあれば、
自分勝手に、そんな風に聞いたらいい、馬鹿みたいな応援歌なんだな。
Yeah!Yeah! Yeah!
Yeah!Yeah! Yeah!
Yeah!Yeah! Yeah!
Yeah!Yeah! Yeah! Yeah! と、くどいほどに、応援してくれるんだね。
ちゃんと歌詞は読んでみるべきだと思った。
もちろん、パンクバージョン、プログレッシブ "She Loves You" にも、ちゃんと伝えたいものはあったけどね・・・
(教師からのクレームに、「自由研究」の成果と、周波数の変形と音色の変化について、真面目な顔で、はったりをかますのも、僕の役回りだった。
もっとも、そんなに怒っちゃいなかったけどね、ビートルズ世代の先生は・・・)
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この記事へのコメント
『スティーヴ・ジョーンズ(元セックス・ピストルズ)と交わした会話を思い出したよ。あいつがが"ビートルズなんて嫌いだね"とか言いやがった。だから、"おまえ、どっか悪いんじゃないの?"って言ってやったけな』ですって。
このオジーのコメント、すごく面白いですよね?そう思わない?
オジーは汚い臭い街で育ってビートルズが美しくロマンティックに心に響いたのかな?ソロアルバムでカバーしたイン・マイ・ライフ聴いたことないのですが、聴いてみたくなりました。
ありがとう。